イギリス陸軍(英語訳 British Army )は、イギリス連合王国(英語訳 United Kingdom )の陸軍。現在では、海軍、空軍と共にイギリス軍を構成しています。イギリス陸軍には、海軍・空軍とは異なり、その名称に “Royal” すなわち『王立』の文字がつかず、陸軍に関しては飽くまでも “British” を冠するものが正式名称です。これは、海軍・空軍が国王大権に基づく国王・女王すなわち国家元首(および元首によって象徴される中央の行政府。)に専属する単一の常備軍であるのに対して、あくまで陸軍は立法府である議会の許可に基づいて臨時に召集・編成され、かつ各連隊にも国王以外のカーネル・イン・チーフ( Colonel-in-Chief )が存在する事による物で有ります。しかし、これはイギリスによく見受けられる時代がかった建前であって、実際には海軍・陸軍・空軍のいずれも厳格な文民統制の下にある“イギリス国家の軍隊”です。それでもなお、イギリス陸軍においては連隊ごとに強い独自性を残しているなど、他国の近代軍には稀な特色も備えています。また、イングランド内戦と共和政時代を経て起こった名誉革命後に権利の章典が成立して以来、イギリスでは議会の許可なく平時における常備陸軍( peace-time standing army )を編成することが禁止されている(権利の章典の成立以前も常備陸軍を編成することは一種のタブーではあったが、明文化されたものではなかった)。現在においても一定期間ごとに『臨時に』陸軍を編成する許可を議会が可決する必要があるが、これは軍の職業化と専門化が高度に進んだ近現代においては、もはや建前とすら言いがたいほどに形骸化しており、実態としてはイギリス陸軍は平時においても常備軍です。